社伝によれば、天正8年(1580)の草創と伝えられていますが 「新編相模国風土記稿」には、
室生神社は始め中川にあったものを天正8年、岸に移転し、その後地主神として祭られている 天神の社(現在地)に遷宮したとあります。現在、中川には大室生神社があります。
祭神は建御名方尊(たてみなかたのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)、菅原道真な
どのほかに、明治42年3月1日無格社27祭神を合祀しています。なお、同社には和鞍4つが保存 されており、そのうち3鞍にはそれぞれ寛永12年(1635)、万治3年(1660)、寛文6年(1666)と記 されています。
室生神社流鏑馬
山北町山北の宮地に所在する室生神社に伝わるもので、起源は源頼朝の石橋山挙兵の際、平
家方に味方したため川村の領地を没収され、斬刑に処せられるところであった河村義秀が、鎌 倉で行われた流鏑馬の妙技により免ぜられ、旧領に復帰できたという古事(新編相模国風土 記・吾妻鏡)によるとされています。
この鎌倉での流鏑馬は建久元年(1190)であり、義秀が旧領復帰した翌年から「室生神社流鏑
馬」が始まったとすれば、800年余り続いていることになります。途中、農民の手によって受 け継がれ、かつては的の当り矢によって翌年の稲作を占う神事として行われました(一の的は 早稲、二の的は中稲、三の的は晩稲)。
室生神社の例大祭
流鏑馬は11月3日の室生神社の例大祭に神事として古儀に基づき行われています。また、流
鏑馬の前には御輿と花車の渡御がおこなわれ、町内を巡行します。 |